練習実施記録 2015.01.17. (小学生)

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内容更新日:2015.01.27.
レイアウト更新日 : 2016.04.24.

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練習の立案背景
 私は、コーチとしての立場でこのクラブには10年以上前から指導に関わってきたが、近年仕事の都合でほとんど練習に顔を出せないでいる。今日はたまたま来れるチャンスに恵まれ、出席することができた。今年度3回目である。
 チーフから、今日はこのような練習をしていということで、次のような練習パターンを提示された。



 チーフはある小学生大会を見て、強いチームの練習の”回転の速さ”を当クラブに導入したいと考えた。私自身も基本動作の練習に固執すると練習生にとっては「待ち時間」が長くなるという問題をかかえており、導入に賛成、とにかくやってみようということになった。
実施と問題出現と解決工夫
 ところがやってみると、まだまだ各生徒のコントロール技術が未完成なので@の送ったボールがあちこちに散らばって@もAと一緒になってボール拾いに走ってしまったり、あるいは次の人がスタートする時までに受け取りの体勢に入れなかったりしたので、受け取り体勢に入る前の人員を1人増やすことを提案した。



即ち、@はパスをBに送るが、パス後はAの位置に移動して次のD(Cではなく)の人のパスを受け取る準備をする。Bは、ボールがどこへ飛んでいっても拾ってきてボール籠に入れ、パス列の後尾に並ぶ。AはBの位置に移動して、次のCのパスを受ける体勢に入る。

 さてここで、一つの問題が起こった。



@のパスがAとBの中間に飛んで、2人ともボールを追ってしまって次の人のパスを受ける人がいなくなる。又は@のボールがAの正面に飛んで、Aがボールをつかんでボール籠に入れに行ってしまい、Bが何をすればいいかわからず動けなくなってしまう。

そこで、これを一つの指導のチャンスと捉えて、次のような指示を出した。
[意識づけ]
◆この練習は、@のパスだけの練習ではない。AとBの役割分担という大切な練習でもある。(役割ということに強く意識を向けさせる。)
[動き方]
◆Aは、@のボールは取りに行かない。もし自分のところに飛んできたら、思わず取ってしまったボールはすぐBに渡して自分はBの居た位置に素早く入る。(ボールを持ってボール籠に入れに行かない。)
◆Bは、ボールがどこへ飛ぼうとつかまえてボール籠に入れる。
◆@はAの位置に来たら、C(自分の次)の人ではなくDの人と目を合わせておく。
[考え方]
◆試合になると、隣りの人が取るべきボールが自分のところに飛んできても自分が取ってはいけない場合が必ずある。今は、その練習をしている。
◆みんなそれぞれ自分のやるべき事のために動いているのだから、自分のやるべき事を放り出して人のやるべき事に手を出してはいけない。だからAに居る人は、@のボールが真正面に来てしまったらそのボールは取ってもいいけどすぐBに渡して、Cのパスを受ける用意をしなさい。それがAに居る人の仕事なのだから。
効果
 小学生低学年の子にはハードルの高い練習になったが、「え〜っ、どうするんだっけ〜」と考えながらも一生懸命こなしていた。(この子は兄弟でお母さんと一緒に練習に参加していたが、父兄の方々にも一緒に練習に参加していただくことで「考え方の指導」を実感してもらえると考えており、当クラブでは父兄の参加を奨励している。)
 小学生は遊びの中で「楽しさ」を教えるべきだという考え方が流行しているが、この子たちがたとえば中学校に上ったとしても全員が「強いチーム」の考え方のクラブに入れるわけではない。となれば、せめてこのクラブに来た時にはそういう考え方に触れさせてやりたい。この子たちにとっては、一生に一度しかないチャンスかもしれないのである。
 また、試合における考え方というのは、社会人になった時に仕事をする上で財産となり得る。近年、「スポーツをやっている人はさすが…」という言葉を聞かなくなったが、そういう言葉が戻ってくるような指導を心がけたいものである。
実施へ向けての提案
◆プレーをしなから次の行動を考える訓練である。継続して練習することが必要。
◆この練習の以前に個々人のパス技術の練習をしっかり行なっておくこと。この練習は応用練習であり、基礎練習の次にくるものである。よく、高度な練習をすれば強くなったと錯覚する指導者を見かけるが、強いチームは基礎練習は手抜きをしない。
◆この練習は、始めのうちはA、Bのボール巡りに重点を置く必要があると思う。この部分に自信がない状態で練習しても、おそらく本来の練習目的である@のパスに心が集中できないであろう。自信がついてきたら、重点を@のパスに切り替えていく。